今日、仕事で行った銀行で順番待ちをしている時、
私の隣に70歳代くらいの女性が座っておられた
ご主人らしき男性が近づいて来られたので、私が席を
ひとつずらしてお譲りしようとしたら
「あら、いいのよぉ」と、その女性が私を手で制して
おっしゃった。その言葉の抑揚は、まるで女優の
杉村春子さんを連想させる雰囲気。
そして席を立たれる時にも、「どうもありがとね」と、
歯切れ良くおっしゃって立ち去られた。ここ関西では
聞き慣れないイントネーションのせいか、私の隣には
粋な残り香が残ったような気がした
あれくらいの年齢の方だからこそなのかもしれない。
年配の方の威勢の良い関東弁もかっこ良いし、
年配の方のまったりとした関西弁も良いなぁと思う。
何なんですかねぇ、あの味は。。
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私の父は大阪の河内(かわち)の出身で、父方の
おばあちゃんの昔ながらの関西弁が好きだった。
「ご馳走様でした」と私が言うと、「よろしゅうおあがり」と言った
「行って来ます」と私が言うと、「お早うお帰り」と言ってくれた
そんなふうに言葉を返してもらうと、子ども心にも何だか気分が
良くなったような気がする。最近はそんな綺麗な関西弁を
聞くこともなくなって寂しい限り
現代風に、「よく食べたね」「早く帰っておいでね」と言ってみても
少しニュアンスが違う
「どういたしまして、お粗末さまでした」
「無事に早く帰って来るのを待ってるよ」
という気持ちがこもっているような気がする
こんな綺麗な関西弁、今の私の年代でもなかなか使えない
のだから、子ども達は耳にすることもなくなる時代がやって来る
のかと思うと・・・残念だ。
だからと言って、今日から私が子どもにそんな言葉使いをするのも
気恥ずかしいし、第一、子ども達が気持ち悪がるだろう(苦笑)
私が古風な関西弁が似合う年代になったら、その頃には
孫もいるだろうから、ちょっと茶化した振りをして孫に
言ってみようかな。
「よろしゅうおあがり。」「お早うお帰り。」
おばあちゃんの言葉として記憶に残ってくれるのも、また良いかも。
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