少し前、たまたま夫の通勤用コートの裏地の裾がほころびて
いることに気づいた私。おまけによく見ると、襟の部分が
ずいぶん摩れて傷んでいた 

夫は25年も愛用してきた値打ち品だと豪語し、滅多に電車に
乗らないから、これで良いのだと言うけれど、こんなコートを
着ていたのかと思うと恥ずかしいやら不憫やら情けないやら

毎日ご主人の背広やコートにブラシをかけるような奥さんだったら
すぐに気づくんだろうが、基本的に「自分のことは自分でする」夫
なので、身の回りのことは任せてあった。

とは言え、気づかなかった自分が奥さんとして失格だなぁと、
傷んだコートと同じくらい内心傷ついてしまったのである

以前は節約も兼ねて、ワイシャツのアイロン掛けは家でしていた。
ある日、夫の会社の目と鼻の先にあるクリーニング店がとても
安いという情報を、寮生活をしている独身者から入手したらしく、

毎日営業車で通勤している夫は、まめまめしくワイシャツや、
時には背広も車に積んでクリーニング店へせっせと運んでくれる
ようになった

私が仕事の量を増やして、時間と体力に余裕をなくした頃だった
ので、疲れて夜遅くにアイロン掛けをしなくて済むようになって、
感謝の日々だった

でもそのお陰で、そのせいで、私は夫の背広やコートやワイシャツを
手に取る機会が少なくなり、コートのほころびや汚れに、いつの間にか
気づかなくなってしまっていたのだ。

前の金曜日、「頼むからビジネス用のコートを買いに行こう」と夫に
お願いした。「定年まで着れそうな上等のを買おう」と息巻いたのだが、
営業マンの夫にとって背広やコートは時として作業服代わりになり
かねないからと言って、あまり贅沢な物を選ばない

それでも何着か試着する夫の姿を見るのは、少しウキウキして楽しい
時間だった。また何年か大事に着てくれるだろうと思う。

それにしても、たまには夫の洋服にも気を配らないといけなかったなぁと
反省しきりの妻の日は、偶然にも先日の勤労感謝の日でもありました

夫の勤続年数と共に働いてくれたコートにも、同じく感謝を捧げ、
ひと足先にリタイアして頂くことにしました


        

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