電車の中で読むのに良さそうと、オヤツ好きな私は杉浦日向子さんの『4時のオヤツ』という本を買った。プロローグの数行を読んだ時にはすでに気に入っていた。

   
   四時って、半端だ。
   午前にせよ、午後にせよ。深夜でも、明け方でもない。
   昼間でも、夜でもない。夜明け前、そして、黄昏れ時。
   そんな、半端な時間に、ふと、口寂しくなる。
   (中略)
   三時を過ぎて、五時には間がある。
   ガキを過ぎて、オトナにもなりきれない。
   なんとなく何か食べたいのは、空腹だからじゃない。
   ほんの少し、物足りないのは、たぶん、キモチ
                       ~4時のオヤツより~


単におやつの紹介本ではない。むしろ殆ど詳しい説明などされていない 父娘、母娘、女同士、男と女の何気ない日常の会話・33編で成り立っていて、その中に33種類のオヤツがさりげなく出てくる。画像も、(こう言っては失礼だけど)私達がデジカメで撮るような素人っぽいアングルなのが、庶民のオヤツっぽくて嬉しい。いえ、実は銘菓なのかもしれないのだけど、庶民のオヤツっぽく感じさせてくれるところがまた嬉しい。初めてのタイプの本だった


今日の我が家のおやつは北果楼の「果樹園の六月」(りんごのケーキ)
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